コラム

間取り変更で暮らしが変わる!リノベーションで戸建ての生活動線を改善する方法とは


あなたのご住居は、理想の暮らしにあっていますか? 実は「暮らしにくい」と感じる原因の多くは、間取りにあるんです。
家族構成や在宅ワークの普及によって働き方が変われば、家での過ごし方も変わります。また老後の生活を考えると、バリアフリー化も必要かもしれません。暮らしにくさを解消するには、住まいの間取りを変更するリノベーションがおすすめです。
今回は生活と一緒に変わる、戸建ての間取り変更リノベーションの最適解を考えてみましょう。

リノベーションで間取りを変更できる?

リノベーションで、間取りを変更することは可能です。壁を撤去して部屋を広くしたり、新たに壁を設けて部屋を分けたりするなど、大胆な変更もリノベーションなら実現できます。
ただし建物の構造によっては、「できること」と「できないこと」があります。まずは家の状態と可能な施工を、慎重に見極めていきましょう。
戸建て住宅の構造は、大きく分けて木造軸組構法と2×4(ツーバイフォー)構法があります。木造軸組構法は、柱と梁で建物を支える日本の伝統的な工法です。壁の多くは構造を支えない間仕切り壁のため、比較的自由に撤去や移動ができます。
一方で、原則として耐力壁と呼ばれる構造を支える壁は撤去できません。撤去する場合は別の場所に耐力壁を設けたり、梁を補強したりする必要があります。
2×4構法は、壁そのものが構造を支えているため、撤去できる壁が限られます。間取り変更の自由度は木造軸組構法に比べて低くなりますが、可能な範囲で変更を行いましょう。
耐力壁や柱を見極めながら設計することで、安全性を確保しつつ、理想の間取りに近づけることができます。

間取り変更リノベーションで得られるメリット

間取り変更リノベーションは、暮らしの質を大きく向上させる可能性があります。間取り変更リノベーションの、主なメリットをまとめました。

メリット①生活動線がスムーズになる

生活動線とは、日常生活の中で人が移動する経路のことです。料理や洗濯、掃除といった家事のほか、身支度などの日常的な習慣がスムーズに行える家は、暮らす人にとって生活しやすい場所になります。
間取り変更によってキッチンと洗面所を近づけたり、収納を適切な場所に配置したりすると、時間にも余裕が出ます。歳をとって足腰が弱った場合にも無駄な動作が少なくて済むので、結果的に長く、安心して住める家となるのです。

メリット②家族のライフスタイルに合わせられる

家族構成やライフスタイルは、時間とともに変化します。子どもが生まれれば部屋数が必要になり、成長すれば個室が必要です。
逆に子どもが独立すれば、広い空間を夫婦で使えるようになります。親との同居が始まれば、バリアフリー化や介護を見据えた間取りが求められるでしょう。そうしたライフスタイルの変化にあわせて家の間取りを調整することで、そのときそのときの生活にあった住居となるのです。
また在宅ワークが増えた現代では、集中できるワークスペースも必要になります。使わなくなった子供部屋を書斎に変えたり、リビングの一角を仕切ってワークスペースを作ったりするリノベーションもおすすめです。
それぞれの家族に合わせた間取りを実現できることが、リノベーションの大きな魅力です。

メリット③開放的で快適な空間になる

壁を取り払って複数の部屋をつなげることで、開放的で広々とした空間が生まれます。特に人気が高いのが、リビング・ダイニング・キッチンを一体化したLDKです。
細かく仕切られた空間は、閉塞感があり、光も入りにくく、暗くなりがちです。壁を撤去することで、自然光が奥まで届き、明るく風通しの良い住環境が実現します。家族の気配を感じながら、それぞれが自由に過ごせる空間は、コミュニケーションも生まれやすくなります。
また天井を高くしたり、梁を見せるデザインにしたりすることで、さらに開放感が増します。視覚的な広がりだけでなく、実際の使い勝手を考えた間取りの変更がポイントとなります。

メリット④設備の刷新で住みやすい家に

間取り変更と同時に住まいの設備を最新のものに交換すると、住みやすさが飛躍的に向上します。
オープンLDKにする場合には、対面式キッチンの導入で、料理をしながら家族と会話できる空間が生まれます。また食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーター、広い作業スペースなど、最新設備を取り入れることで、毎日の料理がより快適に行えるようになるでしょう。
また収納を充実させることも大切です。ウォークインクローゼットやパントリー、リビング収納など、適材適所に収納を配置することで、室内がすっきりと片付きます。収納が増えれば、物が散らからず、掃除も楽になりますよ。
バリアフリー化も設備刷新の一環です。段差をなくし、手すりを設置し、広い廊下や出入口を確保することで、将来の介護にも対応できる住まいになります。

リノベーションで間取りを変更する事例5選

実際の間取り変更リノベーションでは、どのような工事が行われているのでしょうか。ここでは代表的なリノベーション事例を紹介します。

1. 和室を洋室にリノベーション

和室を洋室に変更することで、利用用途が広がります。畳をフローリングに変えて押入れをクローゼットに改修し、襖を引き戸やドアに交換することで、洋室のワークスペースや子供部屋として活用できるようになるのです。
洋室にすると、ベッドやデスク、洋風家具が配置しやすくなり、掃除も楽になります。リモートワークが増えた現代では、和室を書斎に変更するのもおすすめの間取り変更です。

2. 狭いキッチンを対面式にリノベーション

壁付けの狭いキッチンを、対面式に変えるリノベーションも人気です。リビングに顔を向けて作業できる対面式キッチンに変更すると、家族のコミュニケーションも増えます。
また料理をしながら子供の様子を見守れ、配膳や片付けがスムーズになるといったメリットもあります。キッチンの背面に収納を充実させれば、使い勝手もさらに向上しますよ。

3. 二間続きの和室をLDKに変更

隣接する二間の和室の間の壁を撤去し、リビング・ダイニング・キッチンを一体化した空間に変更するリノベーションです。天井を高くしたり、大きな窓を設けたりすることで、明るく開放的な空間が生まれます。
家族が自然と集まる居心地の良いリビングになり、来客時にも広々としたスペースを提供できます。

4. 子供部屋を2つに分割

広い一室を間仕切り壁で分割し、それぞれにドアやクローゼットを設けることで、兄弟姉妹それぞれのプライバシーを確保した個室が誕生します。子供の成長に合わせた定番のリノベーションです。
また可動式の間仕切りを使えば、小さいうちは広い一室として使い、成長に合わせて2部屋に分けるといった柔軟な対応も可能です。上の子が独立したら下の子の広い部屋として活用できるのも魅力ですね。

5. 二階建てを平屋風ワンフロアにリノベーション

子供が独立した後、2階を使わなくなったという家庭は少なくありません。1階だけで生活が完結するよう、寝室や水廻り、収納をすべて1階に集約すると、親世代が生活しやすくなります。
特に高齢になってからの階段は転倒リスクも高いので、リノベーションによって1階で日常生活を完結できる間取りにしておくことがおすすめです。2階は趣味の部屋や来客用として残すこともできます。

リノベーションで間取り変更する際にかかる費用と工期

間取り変更リノベーションの費用と工期は、工事の内容や規模によって大きく異なります。
部分的な間取り変更には、壁を撤去してリビングとダイニングをつなげる、和室を洋室に変更するといった工事が含まれます。
費用は100万円〜300万円程度、リノベーション工期は数週間〜1ヶ月程度が目安です。「壁を撤去するだけ」といった簡単な施工であれば、数十万円で済むこともあります。
水廻りや電気配線、ガスの位置変更を伴う場合は、配管工事が加わります。費用が高額になることも多いので、特に優先順位が高くなければ、資産に余裕のある時に行うのもよいでしょう。
また全面的な間取り変更(スケルトンリノベーション・フルリノベーション)では、費用は数千万円、工期は3〜5ヶ月程度が一般的です。建物の骨組みだけを残して内部をすべて解体し、間取りから設備まで一新します。
大がかりな工事にはなりますが、耐震補強や断熱工事を同時に行うことで、安全性と快適性も大幅に向上します。
なお工期は、住みながら工事をするか、仮住まいを利用するかによっても変わります。部分的な工事であれば住みながらでも可能ですが、全面的な間取り変更では、仮住まいが必要です。
工期が延びると仮住まいの費用も増えるため、スケジュール管理をしっかり行いましょう。

リノベーション時の間取り変更の注意点

間取り変更リノベーションを成功させるには、いくつかの注意点があります。

  • 耐震性を損なわないようにする
  • 採光・通風を確保する
  • 建築基準法や既存不適格建物の制約に注意する

まず、耐震性を損なわないようにすることが最優先です。耐力壁を撤去すると、建物の構造が弱くなり、地震時に倒壊するリスクが高まります。耐力壁を撤去する場合は、別の場所に新たな耐力壁を設けるか、梁を補強するなどの対策が必須です。
次に採光と通風の確保も重要なポイントです。壁を撤去して広い空間を作ると開放的になりますが、逆に新たに壁を設けて部屋を分割する場合は、窓のない暗い部屋ができてしまう可能性があります。
また建築基準法や既存不適格建物の制約にも、注意が必要です。建築当時は適法だった建物も、現在の基準では不適格になっているかもしれません。大規模なリノベーションを行う場合、現行の建築基準法に適合させる必要が生じます。
間取り変更では「できること」と「できないこと」を正確に判断することがポイントです。現地調査と専門家の判断を経て、実現可能な範囲で最適なプランを立てましょう。

リノベーションで間取り変更を成功させるポイント

家族の「動き」を見える化

まずは、現在の生活動線を把握しましょう。家族それぞれの「朝の準備」「帰宅後の流れ」「洗濯・掃除・料理」などの動きを振り返ります。玄関から駐車スペースへの動線や、買い物帰りの荷物の運びやすさなども重要なポイントです。実際に普段の通りに家の中を動いて、使いにくい箇所や改善する場所を洗い出しましょう。

家事動線を最短に

家事動線は生活の快適さを大きく左右します。例えば洗濯なら「洗う→干す→しまう」、キッチン周りなら「買い物→収納→キッチン」や「キッチン→ゴミ出し」などの一連の動きが短くなるように配置を見直します。

▶︎ 改善例

  • キッチンと洗面室・脱衣室を近接させ、家事動線を一直線にする
  • 室内干しスペースやファミリークローゼットを設けて、洗濯物の持ち運びを減らす
  • ゴミ出し動線を短くするため、勝手口をキッチン脇に設置

玄関や水廻りの導線は将来も視野に

間取り変更リノベーションでは、玄関からリビングまでの流れが快適かどうかが大きな鍵です。
外出時や帰宅後の動線を整理することで、家全体の使い勝手が向上します。また将来を見据えて、段差をなくす・回遊できる・扉を引戸にするなど、老後も安心して暮らせる動線を意識しましょう。

▶︎ 改善例

  • 玄関横に「身支度ロッカー」を設け、コート・鞄・帽子などを収納
  • 将来介助が必要になった場合にも、浴室・トイレ・寝室を一直線に配置

リノベーション後の生活動線をシミュレーション

改善したいポイントが明確になったら、建築士や設計担当と一緒に確認していきましょう。リノベーションプランを作成する際には、プロの目線で「ここは扉を引き戸にした方が良い」「収納の奥行きを浅くすべき」など、実際の生活を想定したアドバイスをもらえます。

出来上がった間取り図の図面上で見るだけでは、なかなかリノベーション後の生活をイメージしにくいかもしれません。そういった場合は、現在の生活動線を見直したときと同じように、新しい間取りで自分や家族が一日の中でどのように動いているかを想像すると良いかもしれません。

▶︎ 改善例

  • 朝:寝室 → 洗面所 → キッチン → 玄関
  • 夜:玄関 → リビング → 浴室 → 寝室
  • 家事動線:洗濯 → 干す → たたむ → 収納する

実際に生活の流れをイメージしながら間取り図を辿っていくと、自分たちのライフスタイルにあっているか、無駄な動きはないか、が見えてきます。

間取り変更リノベーションを成功させるには、家族の将来の暮らしを想定し、生活にあった収納計画等を行うことが大切です。5年後、10年後の家族構成やライフスタイルを考え、長く快適に住み続けられる家を目指しましょう。
また間取り変更で部屋を広くしても、収納やコンセントなどが不足すると暮らしの快適性は損なわれます。パントリーやウォークインクローゼットといったスペースだけでなく、各部屋に適切な収納や設備を設けることも重要なポイントです。
生活動線を徹底的にシミュレーションし、信頼できる担当者と相談を重ねながら、理想の住まいを実現してください。

リノベーションで間取り変更をご希望なら株式会社ヒカリにおまかせください

株式会社ヒカリは、香川県で豊富なリノベーション実績を持つ専門業者です。戸建て住宅の間取り変更から、耐震補強、断熱改修まで、トータルでサポートいたします。
ヒカリのリフォームでは、住む人のイメージをはっきりカタチにすると共に、デザイン性や生活スタイルに合わせた3つのテーマ(断熱、耐震、介護)を組み合わせたご提案をいたします。
「もっと暮らしやすい家にしたい」とお考えの時は、株式会社ヒカリに、お気軽にお問い合わせください。


AZUSA
監修一級建築士 AZUSA

大学卒業後、㈱ヒカリへ入社。住宅の現場監督として7年間、新築・リフォーム・リノベーション現場を経験。その後営業課・積算課を経て、現在は今までの経験を活かし住宅リノベーション・リフォームのプラン作成~積算業務を担当。31歳のときに1級建築施工管理技士、32歳のときに一級建築士を取得。
趣味は旅行で、夢は都道府県すべてに旅行すること。

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